いまや、LEDタイプの宣伝電光掲示板をフルカラーにすることや、クリスマスでのライトアップで大活躍の青色LEDですが、その主要な特許を発明したといわれる中村修二氏と勤務していた日亜化学工業との訴訟が和解した。特許の対価について8億円4000万円という和解額に中村氏は、「怒り心頭」のようだが、世間一般の認識からすればそのあたりが個人の得る対価としては限界ではないかとも感じる。
その特許を用いて生産するにしても販売するにしても、多くの費用や人が必要だろう。また、特許を生み出すにも、その研究所の設備がたとえ貧弱でも「なければ」無理であっただろうし、その途中の生活を保障する給料も必要だろう。会社が負担した社会保障費もあるだろうし、そういうことをいいだせば一社員がどれだけ守られているか想像に難くない。
寄与度を数字で表すのは難しいが、50%という一審の判決はあまりにも大きすぎる。彼がすべて生産、営業まですべてにかかわっているわけではないだろう。研究もしている一非常勤職の自分としての個人的な感想だが、自分のしていることを利益に直結させるつもりなら、独立起業するしかないだろう。いい技術を持っていても潰れていった会社も多いのだから。